こんにちは。ミヤモンです。
今回は、「やりたい仕事が見つからない・分からない」という方に向けて、やりたいことはなくても大丈夫という内容で書いていこうと思います。
面接でやりたいこと聞かれてもうまく答えられない。
やりたいことって本当に必要なの?
やりたいことが無い人はどうやって仕事を探せばいいの?
このような悩みや疑問を持っている方は多いのではないでしょうか?
実際僕も、大学生時代は自分の「やりたいこと」を仕事にすればやりがいもって生き生き働けるはずだと考え、「自分が本当にやりたいことって何だろう?」とかなり考えました。
なんなら、社会人4年目の今でもたまに考えます。
結論として
・本当に「やりたいこと」を仕事にしている人は意外と少ない
・「やりたいこと」はなくても大丈夫
・「やりたいこと」が明確に無いのは、経験不足なだけ
というのが僕の考えです。
具体的に説明していきます。
そもそもなんでやりたいことを仕事にすべきという考えを持ってしまうのか
「やりたいこと」を仕事にするべきという呪縛に囚われてしまうと、「自分がワクワクできるものって何?」
「きっと自分の中に本当にやりたいことの答えがあるはず」と考え続けてしまいます。
その結果、いつまで経っても自分探しを続けてしまい仕事に就くのが遅れてしまったり、ちょっとでもイメージと違うことがあるとすぐに仕事を辞めてしまったりする人が出てしまうわけです。
なんで仕事に対して「やりたいこと」を求めてしまう人がいるのか?
僕は次の二つの理由があると思っています
1 SNSの普及
スマホを開けばツイッターやインスタなどのSNS、YouTubeなどの動画サイトを通して、いろんな人の生活を覗き見ることができます。
「おしゃれで丁寧な暮らしをしている人」
「美容やファッション、グルメなど自分の好きなものを発信してそれを仕事にしている人」
「自分の経験をコンテンツにして発信している人」
自分の好きなことや得意なことを発信し、「やりたいこと」でお金を稼いでいる人が身近に感じられることで「自分もこんな風になりたい」と考えるようになるのは自然なことのように感じます。
実際昔に比べて個人の影響力が力を持つようになってきたことで、ただの主婦、学生、サラリーマンが自分の好きを発信することで企業から仕事をもらったりしているわけですから、自分にもできるかもと思ってしまうのです。
2 学生時代にやりたいことについて考えさせられるから
「キャリア教育」という言葉をご存じですか?
文部科学省が、「キャリア教育とは、一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」と定義付けしており、その背景には
○ 少子高齢社会の到来、産業・経済の構造的変化や雇用の多様化・流動化
○ 就職・就業をめぐる環境の変化
○ 若者の勤労観、職業観や社会人・職業人としての基礎的・基本的な資質をめぐる課題
○ 精神的・社会的自立が遅れ、人間関係をうまく築くことができない、自分で意思決定ができない、自己肯定感を持てない、将来に希望を持つことができない、進路を選ぼうとしないなど、子どもたちの生活・意識の変容
○ 高学歴社会におけるモラトリアム傾向が強くなり、進学も就職もしなかったり、進路意識や目的意識が希薄なまま「とりあえず」進学したりする若者の増加
「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議報告書」(平成16年1月公表)
が挙げられています。
終身雇用が崩壊しつつあり、以前までに比べ転職や副業、フリーランスなど働き方が多様化する一方で、自分の将来やどんな仕事に就きたいかといった考えをうまく持てない若者が自立したキャリアを形成するために行われるものといえます。
若者自身に自らの意思でキャリア選択をさせるために、学生の頃から「やりたいこと」「将来の目標」などを考えさせたり、興味のある仕事に就いて調べさせたりすることで、勤労観を養うのです。
僕は、このようなキャリア教育を学生時代から受けることによって無意識のうちに「やりたいこと」を仕事にすべきという考えを持った人が生まれてしまうのではないかと思います。
やりたいことを仕事にしなくても大丈夫な理由
1 実際にやってみる中で楽しみを見つけることも多い
キャリア論の代表的な考えの一つに「計画された偶発性理論」というものがあります。
スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱された理論なのですが、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」というものです。
やりたいことを仕事にすべきという考え方を持つ方は、「自分の中にやりたいことがすでにあって、それに合った仕事を見つけることが大切」と感じているかもしれません。
しかし、この理論はむしろ変化の激しい時代において、あらかじめキャリアを計画したり、計画したキャリアに固執したりすることは非現実的であると示しているのです。
また予想し得ないキャリアステップのチャンスを意図的につかんでいくためには5つの行動指針が重要だといいます。
- 好奇心 自分が興味関心を持っている分野だけでなく未知の領域についても学ぼうとする好奇心。
- 持続性 たとえ失敗してもそこであきらめずやり遂げようとする気持ち。新しいことに取り組む際など失敗を恐れて挑戦を避けていると、チャンスを逃すことになる。
- 楽観性 失敗を恐れ過ぎず、困難に立ち向かっていく。
- 柔軟性 これまでの人生で積み上げてきた物事に対するとらえ方や価値観を柔軟する。
- 冒険心 新しいことを始まる際、失敗のリスクばかり気にして戸惑うばかりではなく、まずは挑戦してみるという気持ち。
今現在やりたいことが決まっていないことは問題ではなく、偶然始めたことや就いた仕事と向きあい挑戦したり行動した結果、それが自然と自分のキャリアを形成していくのです。
僕はこの理論を初めて知ったとき、仕事選びがほんの少し気楽になりました。
現時点でやりたいことや達成したい目標が無くても、偶然の出会いや目の前のことに集中することができればそのうち自分にとってのいい仕事に巡り合える可能性が高いということですね。
また、鈴木祐によって2019年に出版された『科学的な適職』の中でも好きなことを仕事にするべきではないと書かれています。
この本は、4021もの研究データや論文から適職の選び方について書かれたものであるため、非常に信憑性の高いものになるのですが、
この本の中では、自分の好きなことを仕事にしようとする「適合派」よりも、仕事を好きになろうとする「成長派」の人のほうが仕事も長続きし、トラブルに強い精神性を持つと書かれています。
好きなことを前提に仕事を選んでしまうと、仕事に対しての理想が大きいため少しでも嫌な業務があったり、イメージと違うことがあると仕事への失望度から長続きしないことが多いです。
逆に、今の仕事を好きになろうとする人は、仕事に対して注いだ時間や労力の分だけ仕事への情熱が高まっていくため、トラブルに強くなったり、あらゆる問題への対処法を身に着けていくのです。
掛けた時間と労力の分だけその仕事への情熱が自然と湧き出てくるのですね。
2 多くの人はやりたいことを仕事にしていない
多くの方は明確な「やりたいこと」が無くても働けています。
なぜならば、仕事はあくまで生活をするためのお金を稼ぐためにするものだからです。
当然やりたいことや熱意を持って取り組めるものを仕事にできればそれがベストですし、モチベーションも成果も高い状態で働くことができると思います。
しかし、「収入」のため「安定」のため「推し活する」ためなど、仕事内容自体には興味が無くても、何かしらの働く目的さえあれば、仕事はできます。
だいたいみんなそんなものじゃないでしょうか。
毎週月曜日には憂鬱な気分で出社して、本当はもう働きたくないなと心のどこかでは考えてるものです。
それでも、仕事を終えれば一日頑張った自分に達成感を覚えたり、たまに仕事にやりがいを感じながら一日一日を積み重ねていくものです。
本当に「やりたいこと」は休日などに楽しめれば十分ですし、今の時代であれば副業という形でスモールスタートすることもできます。
3 やりたいことが無いのは経験不足なだけ
仕事でやりたいことが無いと真剣に悩み、迷うのは10代や20代、30代前半くらいの方が多いと思います。
もし、これまで生きてきた中でやりたい仕事が本当に見つからないのであれば、それは経験や知識が不足しているだけなのだと思います。
なぜならば、経験したことが無いものは自分がやりたいことかどうかは分からないですし、知らない仕事は選択することができないからです。
世の中には数えきれないほどたくさんの仕事がありますよね。
料理人・トラックのドライバー・探偵・転職アドバイザー・ペットショップスタッフ・ライター etc
一生をかけてもこれらすべての仕事を経験することはだれにもできません。
なので、やりたいことが見つかる人の共通点はどれだけ多くの経験をしているかだと思うのです。
学生時代の部活やインターン、海外留学。
社会人になってからの業務経験。
先ほども「計画された偶発性理論」というものを紹介しましたが、
その時々で興味があったり、もしくは成り行きでやってみたことが楽しくて、この経験を活かしたいから仕事にするという人も多いと思います。
なので、やりたいことが無くてもそれはただ経験不足なだけです。
自分を責める必要は一切ありません。
やりたいことが無い人はどうすればいいのか
1 「やりたくないこと」を洗い出す
仕事をする上では「やりたいこと」より「やりたくないこと」のほうが重要です。
なぜならば、やりたいことだけをできる職場を見つけるのは非常に難しいからです。
どんなに仕事内容が魅力的でも、人間関係や関連業務、通勤や残業など働いていれば何かしらの不満は必ず出ます。
「仕事はやりがいあるけど、薄給・激務」
「上司からのパワハラや取引先との関係でメンタル病む」
こんなことはよくあることです。
なので、「やりたくないこと」を中心に仕事を選ぶことで、働く上でのストレスは劇的に減らせます。
「人とのかかわりが多い仕事は嫌だ」
「満員電車乗りたくない」
「ルーティンワークで同じことの繰り返しは退屈」
など、これまでの人生を振り返って、自分は絶対これは嫌だというものに優先順位をつけ、それを避けられる仕事・職場を選べばいいのです。
2 転職サイトを眺めて、気になるワードをひたすら書き出してみる
やりたいことが無い人は、とりあえず転職サイトの求人をひたすら見てみるというのもおすすめです。
何万社もの求人を見ていると、どこかしらで興味を惹かれるワードが出てくるからです。
例えば「在宅ワーク」「残業少ない」「マーケティング」「コツコツマイペース」などなど
自然と目に留まったワードがあればそれをひたすらノートなどに書き出してみると、だんだん自分の志向性が分かってきます。
ある程度ワードがたまったら、なぜそれに興味を持ったのかを深彫りしていくと、それが「志望動機」になります。
これまであまり意識していなかったけど、こういう働き方ができたらいいなと無意識に感じている仕事である可能性が高いので、そこを突き詰めることで一貫性のある仕事選びができるのです。
3 これまでの経験の中で時間がたつのが早いと感じた瞬間を思い出す
これまでの人生の中で、「これをやっているときは時間がたつのが早い」と感じる瞬間は何度かあったと思います。
それこそが、自分に向いている作業であるといえます。
なぜならば、時間を気にせず熱中できることは、あなたがストレスなくこなせるものだからです。
例えば、「友達の話を聞く時間」「本を読む時間」「料理している時間」「ドライブしている時間」
など人によっては退屈だったり、苦痛に感じるような時間をあっという間に感じることができるのは、それが自分の適性に合っているからです。
ほかの人に比べストレスなく自然とこなせることであるため成果が出しやすいものでもあります。
逆に退屈なことや自分に合っていない苦痛なことをしていると時間の流れが遅く感じます。
それを仕事にすれば毎日が苦痛の連続になってしまうのです。
仕事というのは突き詰めれば、「作業」の繰り返しなので、少しでもほかの人よりうまくこなせるものやストレスを感じないものを選ぶのがおすすめです。
4 仕事内容ではなく自分にできることを考える
面接などで会社への熱意や志望動機をうまく答えられないという方は、仕事内容への熱意より自分がどんな風にその会社に貢献できるかということを語ることをお勧めします。
なぜならば、会社が求めているのは愛社精神を持っているだけでなく、会社の利益を出してくれる人材だからです。
例えば面接で志望動機を聞かれたとき「御社の製品が非常に魅力的で、小さいころから大好きなんです。御社でこんなことがしてみたいです」とひたすらその会社への愛を伝えるだけの人よりは「私はこのような経験があり、このような強みがあります。御社のこのような業務で役立てることで利益に貢献できると考えたため志望しています」と活躍イメージを具体的に伝えられるほうが評価が高いのです。
もちろんその会社への熱意や、何をしたいのかを言えることはプラスではありますが、やりたいことが見つからなくて企業選びが難航しているというのであれば、視点を変えて自分の強みを生かせる会社を選んでみるのがおすすめです。
まとめ
以上、やりたいこと仕事が無いという方へ、無理にやりたいことを見つけなくても大丈夫という内容で書いてきました。
これまでの自分の経験からやりたいことがあって、そのために努力もしているという方を見ると、どうしても憧れや劣等感を抱いてしまう気持ちは非常に分かります。
確かに自分がやりたいこと、熱意をもって取り組めることを仕事にできればベストですが、全員がそのような仕事にありつけるわけではないはずです。
そもそも仕事とは生きるための生活費を稼ぐためにやるものなので、働く目的は「収入」でも「安定」でも「世間体」でも何でもいいと思うのです。
要は自分の納得感が一番大事なのであって、仕事内容自体がすべてではないというのが僕の考えです。
この記事を読んで、少しでも気持ちが楽になったり、キャリア選択において前向きな気持ちになってもらえる方がいれば幸いです。
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